聖ヴァーリント王国では「人が魔物に変わる」という怪事件が発生し人々の暮らしに影を落としていた。

第三王子であるレオンは従者のマリィ、そして傭兵アルベールと共にこの異変を解決すべく王国各地を巡る冒険の旅に出ることとなる。

だがその裏には《シャドウ》と呼ばれる名乗る謎の存在が暗躍していた……。

事件を追いながらも絆を深めていくレオンとマリィだが、二人の運命は複雑に絡まり合い、抗おうともその関係は捻じれていく。

次々と立ちはだかる脅威と悪意。誰が敵で誰が味方なのか、混迷極まる旅路の果てに待つ真実とは――。

聖ヴァーリント王国

女神アウルムを崇める大国。
肥沃な土地と豊富な資源を持ち、その歴史は侵略者との戦いの歴史であった。
そんな中でも大国たり得たのは“女神の口吻”と呼ばれる加護の存在が大きく、歴史の転換点には必ず聖刻を授かりし英雄の活躍があったという。

アーツとマギア

“マナ”と呼ばれるエネルギーを用いた特殊技能。
自らの身体に作用させ、主に体術を強化する使用法を『アーツ』、外にあるものに作用させ、超常的な現象を引き起こす使用法を『マギア』と分類している。
元を辿れば同じ技術だが、アーツの方が直感的であるため習得の難度は低く、一方でマギアに精通した“術士”は人々から一目置かれる存在となっている。